レイテ島住血資料の修復―I Shall Return Project
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I Shall Return Projectとは、2013年にフィリピン・レイテ島を襲った巨大台風によって被災した日本住血吸虫症関連の資料を修復するプロジェクトである。この名称は、太平洋戦争の際の米国のダグラス・マッカーサー将軍の言葉に由来する。日本軍の侵攻を受けフィリピンを脱出したマッカーサーは、脱出先のオーストラリアで、「私は必ず戻る」(I Shall Return)と述べた。
海水や土砂に浸かった資料は、そのままにしておくと廃棄処分されてしまう。それを食い止めるため、三菱財団からの資金援助を獲得し、資料の修復に取り組むことになった。当初の予定では、レイテ島でフィリピンの学生に手伝ってもらい作業を進める予定であったが、マンパワーの確保が難しかったため、資料を借り受け、修復措置を施してから返却することになった。2017年9月、修復を本格的に開始し、青山学院大学文学部史学科の歴史学を専攻し、資料の修復などに関心を持つ、学生諸君の協力を得た。
The Schistosomiasis Control and Research Hospitalの住血対策関係資料と被災の状況
被災資料の状況
青山学院大学文学部史学科学生による資料修復の様子、2017年10月、飯島渉撮影
修復のため、資料を水に漬け、塩分など抜く
塩分を抜いた被災資料
資料のページを1枚づつはがす作業
乾燥化のため、資料の一ページごとに、キッチンペーパーを挟み込む
乾燥作業中の資料
乾燥化の最終段階の資料
修復を完了した資料
資料の返却、2018年3月、獨協医科大学の千種教授(左から2番目)、大平教授(左から1番目)によって、修復した資料は、レイテ島に返却された。右から2番目は、レイテ島やフィリピンの住血対策を担ったDr. Blas、一番右が現在のセンターの責任者、Ms.Emelda
English translation
I shall return project”-The repair program of the Leyte schistosomiasis materials
I shall return project” is the repair project of the destroyed schistosomiasis materials in the Leyte islands. Under the support of the Mitsubishi Foundation, the AIDH project started to repair with kindly support of the students of History Dept. of Aoyama Gakuin Univ., Tokyo.
After the complete of repair, we have already returned the materials to the Leyte.