(ソウル)国立民俗博物館
National Fork Museum of Korea
(ソウル)国立民俗博物館
ソウルの民俗博物館を再訪しました
昨年秋にも見学する機会があったのですが駆け足だったので、今回ゆっくり見学していろいろなことに気づきました。民俗博物館は景福宮の東側にあります。もちろん入場料は無料で、さらに日本語などの音声ガイドも無料です。博物館のあり方として、見習うべき点が多いと思います。景福宮には光化門の近くに王族の宮廷での生活や文物を展示した博物館もあります。
民俗博物館はエリート層の両班中心とはいえ(おそらく資料が残っているのでよくわかるのだと思います)、農民や漁民も含め人々が生まれてから亡くなるまでの生活を紹介していて、興味深い内容でした。また、朝鮮半島での人々の暮らしを春夏秋冬にあわせて紹介する凝ったつくりの展示もあります。日本語ガイドあるので、内容よくわかりました。
韓医学の世界
朝鮮半島の医療体系の中心に位置していたのは韓医学で、その治療の様子がジオラマとして展示されています。韓医学は、日本語では「韓方」(つまり、漢方や蘭方との関係から)、英語ではoriental medicineとなり、中国語では「東方医学」ですから、このずれは研究課題の一つです。この問題は、薬令市にある韓医学の博物館の紹介で触れることにします。
シャーマニズムの世界
民俗博物館の展示の中で医療の一つとして紹介されているのが祈祷による病気退治です。天然痘や麻疹を退散させるための様子がこれもジオラマで紹介されており、同時に済州島での祈祷の様子が放映されていました。
朝鮮社会におけるシャーマニズムの役割はたいへん大きかったのですが、私自身のこれまでの調査研究ではほとんど意識することが出来ないことがらでした。近く、済州島での調査も計画しているので、このあたりもぜひ意識してみたいと思いました。
(飯島 渉)