研究名称 「COVID-19関連資料の保全をめぐる歴史学的アプローチ」

研究名称「COVID-19関連資料の保全をめぐる歴史学的アプローチ」

研究にご協力くださる皆様へ
研究名称 「COVID-19関連資料の保全をめぐる歴史学的アプローチ」

 

本研究は、文部科学省・厚生労働省・経済産業省による「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(以下、「倫理指針」と略記)に従って実施します。本研究は、倫理審査委員会の審査を受けて、研究責任者が所属する機関の長の許可を得て実施します。
以下、本研究にご協力くださる皆様に対して、本研究にご理解いただいたうえで、本研究への協力の可否をご判断いただくための説明事項を掲載します。疑問があれば遠慮なくお尋ねください。また、本研究に参加しない場合も、皆様に不利益は生じません。また、研究への参加を途中で取りやめたくなったときなどは、随時参加への「同意を撤回」することができます。その場合も、皆様に不利益は生じません。

 

1. 情報の利用目的
2020年以来、私たちはCOVID-19のパンデミックを経験しました。本研究を実施する研究者たちは、この経験を整理して、将来のパンデミックに対応できる強靭な社会を構築する必要があると考えています。そのためには、治療やワクチン開発だけでなく、政治・社会・経済・文化など多岐にわたって私たちが経験したことを振り返り、その意味や課題を明らかにすることも大切です。つまり、過去から学ぶことが必要です。しかし、そうした過去の出来事を伝える資料は日を追うごとに廃棄され、私たちの記憶も薄れていくばかりです。
こうした中で、本研究の研究者はパンデミックの流行や対策のありかたを伝える多様な資料を収集・保全して、将来に継承することが喫緊の課題であると考えました。資料とは、医療機関に限らず社会や個人において、日々生み出され、蓄積され、廃棄されているさまざまなもので、文書、写真、動画、インターネット上の情報、記憶などさまざまです。我々は、この一連の作業を「COVID-19パンデミックを歴史化するための作業」と称しています。
本研究の目的は、「COVID-19パンデミックを歴史化する作業」のために、歴史学、民俗学、博物館学、感染症疫学の専門家が協力して、COVID-19のパンデミックをめぐる資料を収集・保全するシステムを構築するとともに、将来に継承するための理論的検討(=どのような資料を、誰が、どう残すか)を行うことです。また、その成果を論文や学会発表などの形で公開したり、博物館などでの展示を通じて社会に還元します。
本研究の意義は、(1)日々失われているCOVID-19関連資料をレスキューすること、(2)類似の活動をしている(しようとしている)研究者や組織に理論的な知見を提供し、その活動を促すこと、(3)資料を残すことにより、COVID-19 のパンデミックで我々が経験したことの歴史的意味を議論し、それを踏まえて今後の感染症対策への知見を提示すること、です。

 

2. 本研究が収集する資料・情報、及び研究の方法
【本研究が収集する資料・情報】
(1)COVID-19 に関連するモノ資料(文字で書かれた資料、刊行物、組織内の配布物、写真、動画、インターネト上の情報など)
(2)COVID-19 に関連するインタビュー(研究責任者が実施)
【本研究の方法】
・COVID-19 に関する人々の経験を収集して保全します。責任研究者が収集した既存情報を含みます。
・COVID-19 に関連するモノ資料を研究責任者が集めたり、提供を受けます。
・インタビューの対象人数は、今後4 年間で50 名ほどを想定しています。
・インタビュー記録は文字起こしをします。
・モノ資料は時間や位置情報を付与して、クラウド型データベースに登録します。
・研究方法は、資料や情報を人文・社会科学の手法で分析します。
・血液などの試料は収集せず、介入研究や遺伝情報の分析などは行いません。
・資料・情報の用途は、学会報告や論文などの学術研究、資料の収集と公開についての理論構築のための具体的事例となる資料として利用、博物館展示や教育活動で利用します。
・研究する場所は、研究責任者が所属する大学・研究機関です。インタビューを実施する場所は、研究責任者が用意した場所か、インタビュー対象者(話し手=インタビュイー)が指定した場所とします。
・収集した情報は日本国外には提供しません。

 

3. 資料・情報の収集を開始する予定日
研究機関の長が本研究の実施を許可した日~2028年3月31日

 

4. 資料・情報の収集方法と利用する者の範囲
【資料・情報の共有方法】
研究責任者同士やほかの研究者との資料・情報の共有に際しては、情報にパスワードをかけるか、直接会って手渡します。海外の研究者には情報を提供しません。電子情報やモノ資料は、研究代表者と研究責任者がパスワードをかけた電子情報として保護するか、鍵のついたキャビネットで保管します。パソコンにはセキュリティ対策ソフトを導入します。クラウド型のデータベースは、ID とパスワードで保護しており、研究代表者と研究責任者が利用できます。
【個人を特定できないように加工する場合】
皆様のご意向に従い、ご希望の情報について個人を特定できないように加工します。この時、もとの情報と突き合わせるための「対応表」(=その情報が誰の情報なのかを識別するもの)を作成します。「対応表」にはパスワードをかける、もしくは鍵付きのキャビネットに保管して研究責任者が鍵を管理し、情報を施設外に持ち出しません。
【委託業者による個人情報保護】
本研究が扱う情報は、株式会社メタ・インフォが構築して保守管理するクラウド型アーカイブシステムにアップロードします。委託業務内容は、情報を集約するデータベース構築、システムの安定運用のための補修、セキュリティアップデート、システムのメンテナンス、サーバ管理です。同社は個人情報保護法等の順研究内容の説明書類守を明示し、日本産業規格「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」(JISQ15001)に準拠した個人情報保護マネジメントシステム(PMS)を構築するなどして個人情報の保護に万全を尽くしています( https://www.metainfo.co.jp/privacy)。同社が順守すべき事項について文書または電磁的方法により指定します。具体的に順守すべき事項は、(1)個人情報の第三者への提供、無断複写、持出し等の禁止、(2)作業場所への不要な物品の持込み禁止、(3)作業場所からの物品の持出し禁止、(4)個人情報の電子メール等での送信禁止、(5)権限外の行為の禁止、(6)個人情報保護法、業務委託契約書第5 条に規定する事項です。研究代表者と研究責任者の業務監督として、年1 回の聞き取り調査をします。サーバは日本国内にあります。情報のアップロードは研究責任者が行います。
インタビュー記録を文字起こしする際にも、外部業者に委託することがあります。このとき、個人情報保護法などの順守を明示しており、個人情報を含む「全ての情報資産」を対象としている情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格の認証を受けている業者を選定します。

 

5. 本研究(多機関共同研究)の研究代表者の名前および所属機関の名称
・研究代表者:飯島渉(長崎大学熱帯医学研究所)

 

6. 情報の管理について責任を有する者の名前と連絡先
・飯島渉(長崎大学熱帯医学研究所)
住所:〒852−8523長崎県長崎市坂本1-12-4
電話:095-819-7583
・井上弘樹(東京医科大学医学部)
住所:〒160-8402東京都新宿区新宿6-1-1
電話:03-3351-6141
・中澤港(神戸大学大学院保健学研究科)
住所:〒654-0142兵庫県神戸市須磨区友が丘7-10-2
電話:078-796-4502
・高橋そよ(琉球大学人文社会学部)
住所:〒903-0213沖縄県中頭郡西原町字千原1番地
電話 098-895-8182
・市川智生(沖縄国際大学総合文化学部)
住所:〒901-2701沖縄県宜野湾市宜野湾二丁目6番1号
電話:098-893-7967
・五月女賢司(大阪国際大学国際教養学部)
住所:〒570-8555大阪府守口市藤田町6丁目21番57号
電話:06-6902-0791
・後藤真(人間文化研究機構国立歴史民俗博物館研究部)
住所:〒285-8502千葉県佐倉市城内町117
電話:043-486-6473
・橋本雄太(人間文化研究機構国立歴史民俗博物館研究部)
住所:〒285-8502千葉県佐倉市城内町117
電話:043-486-6473

 

7.同意の撤回や同意内容の変更、及びそのご要望を受け付ける方法
・本研究への参加の撤回(同意の撤回)や提供した資料・情報の扱いの変更をお受けします。
・ご希望の場合は、上記6に記載している研究者にご連絡ください。

 

8. 本研究で取得した情報を将来の研究のために用いる、又は他の研究機関に提供する際の手続き
今回ご同意をいただいた時点では特定できない、将来の研究のために、皆様がご提供くださった情報・資料を使うことがあります。その場合の利用範囲については、今回の説明内容と同じです。また、利用範囲を変更したい場合は随時お受けいたします。
研究代表者や研究責任者以外の日本国内の研究者が、当該情報を利用したいと申し出た際の提供範囲については、インタビュー時や資料提供時にご同意いただいたものに限ります。また、提供範囲を変更したい場合は随時お受けいたします。
情報を提供できるのは、研究代表者と研究責任者です。提供に際しては以下の事項を伝え記録します。情報の内容、取得の経緯(倫理審査などの適正な手続きを経ていること、情報を取得した時間、場所など)、研究対象者の情報(誰の情報か。匿名加工・仮名加工情報の場合は不要)、同意の取得の有無、加工の有無。
情報を提供した場合は、提供した日から3年を経過した日まで提供した記録を保存します。
情報を提供された側は、提供を受けた記録を、研究終了時の報告を提出した日から5年間を経過した日まで保存します。
情報提供先の確認方法は、本研究の研究代表者および研究責任者への電子メールや文書です。
海外の研究者には情報を提供しません。

 

9. 情報の提供を行う機関の名称及びその長の名前
・長崎大学(研究機関の長:永安武)
・東京医科大学(研究機関の長:宮澤啓介)
・神戸大学(研究機関の長:藤澤正人)
・琉球大学(研究機関の長:西田睦)
・沖縄国際大学(研究機関の長:安里肇)
・大阪国際大学(研究機関の長:宮本郁夫)
・人間文化研究機構国立歴史民俗博物館(研究機関の長:西谷大)

 

以上です。